2005/04/14

再会



今晩は懐かしい顔ぶれに会うことが出来た。

オーストラリアに長期転勤となっていた元同僚K氏が日本に帰国。約3年ぶりの再会だった。

部は違ったが年齢が近いこともあり、社会人になりたてのオレにK氏はとてもよくしてくれた。今考えると、ありえないくらいに非常識で大胆で無知だったオレに、社会人として生きていくのに必要なことを、とても忍耐強く、驕りなく教えてくれたのが彼だった。

当 時、彼の部に突然降って沸いた海外転勤という名の、事実上のリストラ。誰がどう考えても、200%理不尽なハナシだった。その時、海外生活経験者だって ことだけで、K氏はオレに色々なアドバイスを尋ねてきた。それまでのお返しの意味を込めて、出来るだけ客観的に、現実的に、成人を過ぎて英語スキルも土地 勘もない日本人が英語圏で生活していくためのTipを、話したりしていた。

数日後、彼は前向きにそのオファーを受け、オーストラリアに行くことを決断した。

いつでも笑顔を見せることの出来る、大人な人だった。学生アガリの当時はそれが節操のなさに思え、軽蔑もしたものだったが本当の大人とは、誰も笑えない時に思いっきり笑うものだと、教えてもらった。

転 勤組の送別会は進んで幹事をやらせてもらった。新宿にある、ベッドルームほどの広さのキャバレーを借り切り、40人ほど詰め込んで盛大に祝った。そこで も、心の奥の寂しさ、やりきれなさが溢れんばかりだったであろうにもかかわらず、彼は爆発するような笑顔で周りを笑わせていた。その笑顔は数日後、見送り に行っ た空港で出発ゲートをくぐる最後の最後まで消えなかった。

今晩再会して彼のエネルギーはさらに強まっていた。圧倒された。前と変わらず、彼が繰り返し使う言葉は

「これからだ」。

そして、笑う。

思った。

実は彼は、本当にどのシチュエーションも楽しんでたんだと。