2005/04/24

Love Boat Captain


今日の一曲はPearl JamのLove Boat Captain。

このバンドはなんというか・・・バンドとしてあるべき姿の超手本のような形で、進化を続けて行ってると思う。デビューしたての彼らのライブは過激で挑発的で、攻撃すべき対象は徹底に攻撃し、その表現方法にはまるで抑制が無かった。

ア メリカでの興行チケット販売大手Ticket Master(日本で言うぴあ)を相手取り、高額の手数料搾取に異論を唱えた訴訟を起こしたり、「若い世代にチャンスを与えたい」と、"Jeremy"を 最後にMTVなどで放映される彼らのミュージックビデオを今後一切作成しないと発表したり、アメリカを代表するメジャーバンドとなった後も、ミュージッ クシーンに一石を投じ続けた。

アルバムを発表するたびに作り出す楽曲の成熟さが増し、ライブ中にボーカルのEddie Vedderが5mの高さから客席にアタマからダイブするなどのパフォーマンスこそ行われなくなったが、社会、政府、宗教、音楽業界などにおける腐敗・不 正 についての問題意識は常に高く、それらに対しての言葉による鋭い攻撃の手は現在もまったく緩めることは、ない。

デビューから11年がたった2002年に、7枚目となる「Riot Act」リリース。このアルバムに収録されているLove Boat Captainは

"既にそう歌った奴がいるのは知っている
だけど何度歌っても足りないから
All you need is love"

と、The BeatlesのAll You Need is Loveのメインコーラスが、今のこの世の中だから改めて伝えようとの意思を込めて、歌い上げられる。

"俺を受け止めてくれ、そして事実にしてくれ
全てが失われたとき、そこにあるのは君なのだと
なぜなら宇宙からみれば何一つ意味を成さない存在の俺が
いまだ信じることの出来る言葉がたったひとつだけ、あるから"

Vedderの低く抑えた声と完璧にマッチして、その戦いと進化の歴史があるPearl Jamだから嘘なく伝えられることの出来るメッセージが、真っ直ぐに届いてくる。楽曲としての完成度も非常に高い。